「なんだか最近、吐き気が続く…。でも食あたりや風邪でもなさそう」。
そんな体調不良、実は“貧血”が原因かもしれません。
特に女性は、生理や妊娠といったタイミングで鉄分不足になりやすく、体内が“酸欠状態”になることがあります。
酸素が足りないと、胃腸や脳に負担がかかり、吐き気などの症状が出ることもあるのです。
本記事では、貧血と吐き気の関係をわかりやすく解説しながら、原因と体内のメカニズムをひも解いていきます。
読み終える頃には、ご自身の症状に心当たりがあるか、冷静に見極められるようになるでしょう。
1. 吐き気の原因が“貧血”であることは意外と多い?
吐き気といえば、胃腸炎や食べすぎ・二日酔いなどを思い浮かべがちですが、酸素不足による内臓の機能低下も原因のひとつです。
貧血とは、体内のヘモグロビンが減り、全身に酸素が行き渡らなくなる状態。
すると、胃腸や脳、神経系に負担がかかり、気持ち悪さや嘔吐感が現れることがあります。
実はこのように、貧血が吐き気の“隠れた要因”になっているケースは少なくありません。
2. 貧血で吐き気が起こる3つのメカニズム
1 胃腸の働きが落ちて消化不良に
酸素が十分に供給されないと、胃腸の動きが鈍くなり、消化機能が低下します。
その結果、食べ物をうまく処理できず、胸焼けや吐き気につながってしまうのです。
2 酸欠による頭痛が吐き気を誘発
脳も酸素を大量に必要とする臓器です。
貧血になると脳への酸素が不足し、頭痛を引き起こすことがあります。
頭痛が強くなると、吐き気や嘔吐を伴うことも少なくありません。

3 自律神経の乱れによる不調
酸素が足りない状態が続くと、体のバランスを保つ自律神経も乱れやすくなります。
その結果、気分の悪さ・倦怠感・吐き気などの不調が現れる場合があります。
3. 女性に多い!貧血と吐き気の主な原因
ここからは、「そもそもなぜ貧血になったのか?」という原因に焦点を当てます。
女性に多い原因と、その背景にある吐き気との関係を見ていきましょう。
生理による貧血と吐き気
毎月の出血により鉄分が不足しがちな生理中は、貧血と吐き気が重なることがよくあります。
また、生理時に分泌されるプロスタグランジンという物質が、子宮だけでなく胃腸にも影響を与え、吐き気を引き起こすこともあります。
婦人科系疾患による大量出血と吐き気
子宮内膜症や子宮筋腫など婦人科疾患があると、出血量が増えやすく、慢性的な貧血状態になることがあります。
生理痛に加え、吐き気や倦怠感、めまいといった症状が重なる方も少なくありません。
妊娠による「つわり」と鉄分不足の悪循環
妊娠初期の「つわり」で食事がとれなくなると、鉄分補給が難しくなり、貧血に陥りやすくなります。
さらに、貧血が進むと吐き気も悪化するという悪循環に陥る場合があります。

腎臓疾患によるホルモン不足と吐き気
腎臓では赤血球を作る「エリスロポエチン」というホルモンが分泌されますが、腎機能が低下するとこれが減少します。
すると貧血が進行し、さらに「尿毒症」などの症状として吐き気や嘔吐が起こるケースがあります。
4. 貧血治療中に気をつけたい鉄剤の副作用
鉄剤は貧血改善に効果的ですが、消化器への刺激が強いため、吐き気や胃痛などの副作用を訴える方もいます。
たとえば有名な「フェロミア」などの鉄剤では、
- 胃痛
- 吐き気
- 嘔吐
- 便秘や下痢
といった副作用が報告されています。
体に合わない場合には、服用方法を工夫したり、食事やサプリでの補給を検討することも大切です。
5. まとめ:吐き気の原因は“隠れ貧血”かも?
- 吐き気が続くとき、原因が胃腸以外にもあることを知っておくと安心。
- 特に女性は、生理や妊娠などで貧血になりやすく、体調不良が出やすい傾向にある。
- 貧血によって酸素が不足すると、胃腸や脳、自律神経など複数の器官に影響を与え、吐き気が起きることも。
気になる症状がある場合は、まずは自分の体と向き合い、原因を知ることから始めてみてはいかがでしょうか?

