「鉄欠乏性貧血と診断されたけど、どうすればいいの?」「検査って何を調べるの?費用は?」
そんな不安や疑問を抱えていませんか?
鉄欠乏性貧血は、現代の日本でも多くの人が悩んでいる身近な症状です。特に女性は月経や妊娠・出産の影響で鉄不足に陥りやすく、気づかないうちに“隠れ貧血”になっていることも。
この記事では、鉄欠乏性貧血の診断までの流れや、血液検査で見るべき項目、数値の読み方、そして診断時にかかる費用まで、わかりやすく整理して解説します。対策や参考になる関連記事もご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
貧血の検査はまずは内科へ
なぜ内科を受診するの?
貧血と聞くと婦人科や循環器科を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、まずは内科を受診するのが基本です。というのも、貧血の原因は1つではなく、消化器・婦人科・腎臓などさまざまな臓器に関係している可能性があるからです。
内科で全身の状態を確認してもらい、必要があれば専門の診療科に紹介される、というのが一般的な流れです。
内科で受ける検査の流れ
内科では、問診・視診のあと血液検査が行われます。鉄欠乏性貧血が疑われる場合は、以下のような項目を調べます。
- ヘモグロビン(Hb)
- 赤血球(RBC)
- ヘマトクリット(Ht)
- フェリチン
- 血清鉄(Fe)、TIBC(総鉄結合能)、UIBC(不飽和鉄結合能)
血液検査にかかる費用は?
血液検査の費用は項目数や医療機関によって異なりますが、目安としては1,400円〜5,000円ほどです。これに初診料や診察料が加わると、全体では5,000円〜7,000円前後になることもあります。
心配な場合は、事前に通院予定の医療機関へ費用の目安を確認しておくと安心です。
鉄欠乏性貧血と診断されるまでの流れ
ヘモグロビンの基準値
世界保健機関(WHO)では、以下のようにヘモグロビンの基準値を定めています。
区分 | 基準値(g/dL) |
---|---|
幼児・妊婦 | 11.0未満 |
成人女性 | 12.0未満 |
成人男性 | 13.0未満 |
この基準を下回ると「貧血」と判断されます。
赤血球関連の指標(RBC・Ht)
項目 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
RBC(×10⁴/mm³) | 400~539 | 360~489 |
Ht(%) | 38.0~48.9 | 34.0~43.9 |
検査で確認する主な数値と基準値
赤血球指数(MCV、MCH、MCHC)
貧血の種類を見分けるために、「MCV」「MCH」「MCHC」といった赤血球指数を確認します。
指数 | 意味 | 基準値 |
---|---|---|
MCV | 赤血球の大きさ | 80〜100 |
MCH | 赤血球1個あたりのHb量 | 28〜32 |
MCHC | 赤血球の濃度 | 31〜35 |
これらがすべて低い場合、鉄欠乏性貧血が強く疑われます。
鉄分に関する血液検査の見方
検査項目 | 男性基準値 | 女性基準値 |
---|---|---|
血清鉄(Fe) | 60~210 μg/dL | 50~170 μg/dL |
総鉄結合能(TIBC) | 250~410 μg/dL | 250~460 μg/dL |
不飽和鉄結合能(UIBC) | 120~330 μg/dL | 110~425 μg/dL |
フェリチン | 33.8~369.1 ng/mL | 12.0~129.4 ng/mL |
鉄欠乏性貧血では、Feとフェリチンが低く、TIBC・UIBCが高値になる傾向があります。


鉄欠乏性貧血の原因とは?
鉄不足の原因は大きく3つに分けられます。
- 成長期、妊娠・授乳中など、体が鉄を多く必要とする時期
- 鉄の摂取不足、または吸収しにくい体質
- 月経や消化器の不調による慢性的な出血
特に女性は、月経や妊娠の影響で鉄不足になりやすいため、日常的な注意が必要です。
自覚しにくいからこそ要注意
鉄欠乏性貧血は、初期には「なんとなくだるい」「疲れやすい」といったあいまいな症状しか出ないこともあります。そのまま放っておくと、気づかないうちに進行してしまい、重症化して初めて気づくこともあります。
「ちょっと最近疲れやすいかも」と感じたら、一度血液検査を受けてみるのがおすすめです。
まとめ:不調を感じたら、まず血液検査を
鉄欠乏性貧血の診断には、ヘモグロビンやフェリチン、赤血球など、いくつかの項目を総合的に確認する必要があります。
数値が基準より低い場合は、「なぜ不足しているのか」を見極めることが大切です。
症状がなくても、日常的な疲れや立ちくらみが増えたと感じるなら、まずは内科で血液検査を受けてみましょう。早めに気づくことが、体調を整える第一歩になります。

