健康志向の高まりとともに、運動を習慣とする人が増えています。しかし、スポーツをしている人ほど貧血のリスクが高いことをご存じでしょうか?
特にアスリートやスポーツ愛好者は、一般の人に比べて貧血になりやすい傾向にあります。その原因として「鉄分不足」「発汗」「衝撃」の3つが挙げられます。
本記事では、スポーツ貧血の原因と対策について詳しく解説します。運動を続けながら健康を維持したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
スポーツ貧血とは?
スポーツ貧血とは
スポーツ貧血とは、激しい運動を行うことで引き起こされる貧血のことです。運動によって鉄分が失われたり、赤血球が破壊されたりすることで発症します。
運動部に所属する学生やプロのアスリートだけでなく、日常的にジョギングやジム通いをしている人も注意が必要です。
では、なぜ運動をすることで貧血になりやすくなるのでしょうか?次章で詳しく解説します。
スポーツ貧血を引き起こす3つの原因
1つ目の原因「鉄分不足」
スポーツ貧血の最大の要因は「鉄分不足」です。
鉄分は、血液中のヘモグロビンを作るために必要な成分です。ヘモグロビンは酸素を運ぶ役割を持ち、筋肉が適切に機能するために不可欠です。しかし、運動量の多い人は、一般の人よりも多くの鉄分を必要とします。
筋肉量と鉄分の関係
鹿屋体育大学の研究によると、体育大学生女子スポーツ選手の筋肉量は一般の女子大学生に比べて約25%多いとされています。筋肉には酸素を蓄える役割を持つミオグロビンが含まれ、これには鉄分が必要です。
つまり、筋肉量が多い人ほど鉄分を多く消費するため、食事から十分に摂取しなければ貧血になりやすくなります。

2つ目の原因「発汗」
運動によって大量の汗をかくことで、鉄分が失われることも貧血の原因になります。
私たちは1日に約1mgの鉄分を汗や尿とともに失います。通常であれば体内の仕組みによって鉄分の再吸収が行われますが、激しい運動をするとその調整が追いつかず、鉄分が体外に排出されてしまいます。
発汗による鉄分損失を防ぐためには?
- 汗をかいた後は、水分補給だけでなく鉄分を意識した食事をとる。
- 鉄分の吸収を助けるビタミンCを併せて摂取する。
3つ目の原因「衝撃」
サッカーやバスケットボール、マラソンなど、足裏に強い衝撃が加わるスポーツでは、赤血球が破壊されることで貧血を引き起こすことがあります。
また、剣道などの体に衝撃を受けるスポーツでも、同様の影響が見られます。通常、赤血球が破壊されても腎臓で処理されますが、大量に破壊されると尿にヘモグロビンが混ざり、鉄分が失われる原因になります。
衝撃による貧血を防ぐには?
- 適切なシューズを選び、クッション性を高める。
- 血液検査を定期的に行い、貧血の兆候を早期に発見する。
スポーツ貧血の予防策
1. 鉄分を意識した食事をとる
- ヘム鉄を多く含む食品(レバー、赤身の肉、カツオなど)
- 非ヘム鉄を含む食品(ほうれん草、大豆製品)+ ビタミンC(鉄の吸収を助ける)
2. 鉄分の吸収を妨げる食品に注意
- タンニンを含む飲み物(緑茶・紅茶) → 食後30分以上あけて飲む
- カルシウムの過剰摂取 → 鉄分と同時に摂ると吸収を阻害
3. 適切な休養を取る
過度なトレーニングは、赤血球の破壊を促すため、適切な休息を挟むことが重要です。
まとめ
スポーツ貧血の主な原因は、
- 鉄分不足(特に筋肉量が多い人ほど注意)
- 発汗(大量の汗による鉄分喪失)
- 衝撃(赤血球の破壊による鉄分喪失)
運動による貧血を防ぐには、鉄分を意識した食事や適切な休養を心がけることが大切です。
また、より具体的な鉄分補給方法や、スポーツと貧血の関係について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。


運動を楽しみながら、健康的な生活を維持していきましょう!