「最近なんだか疲れが取れない」
「立ちくらみやめまいが増えてきた」
──そんな不調を感じているあなた、それはもしかすると“貧血”が関係しているかもしれません。
この記事では、そもそもなぜ貧血が起こるのか、そのメカニズムや原因について、血液の役割からわかりやすく解説していきます。
この記事を読むことで、貧血のしくみと種類の違いが理解でき、自分の症状に当てはめて原因を予測したり、日常生活での予防意識を高めたりするきっかけになるはずです。
読んだあとには、「どうして貧血になるのか」がすっきり理解でき、体調不良の原因が少しずつクリアになるでしょう。ぜひ最後まで読み進めて、あなた自身の健康と向き合うヒントを見つけてください。
1. 血液の役割と貧血の関係
血液には、体内の“運び屋”として大切な役割があります。主に次の2つの働きを担っています。
- 酸素と栄養素を全身に運ぶこと
- 二酸化炭素や老廃物を回収して排出器官に届けること
この循環が正常に行われることで、私たちは元気に生活できています。
この血液の働きを支えているのが「赤血球」と「ヘモグロビン」です。これらが不足すると、体内に十分な酸素が行き渡らなくなり、“貧血”という状態が引き起こされます。
2. 血液を構成する2つの成分
血液は、大きく分けて「血漿(けっしょう)」と「血球(けっきゅう)」という2つの成分から構成されています。それぞれの役割を知ることで、貧血の理解もより深まります。
2-1. 「血漿(けっしょう)」とは?
「血漿」は血液の約55%を占める液体成分です。水分を中心に、たんぱく質・ホルモン・栄養素などが含まれており、体中を巡りながら栄養の運搬や老廃物の回収を担います。
2-2. 「血球(けっきゅう)」とは?
「血球」は血液の約45%を構成する成分で、赤血球・白血球・血小板などの細胞が含まれています。中でも最も数が多いのが赤血球で、その主成分が“ヘモグロビン”です。
ヘモグロビンは酸素を運ぶ重要な役割を持っており、鉄とタンパク質から構成されています。

3. 赤血球とヘモグロビンの関係
赤血球は、酸素を運ぶ“車”のような存在です。その中にあるヘモグロビンが酸素を乗せる“座席”として機能します。
この座席(ヘモグロビン)の数が減ると、酸素を十分に運べなくなってしまいます。これが「酸素不足」、つまり貧血症状の原因なのです。
4. 赤血球がつくられる場所と寿命
赤血球は、骨の内部にある「骨髄」という場所で毎日つくられています。しかし、赤血球には寿命があり、約120日で分解されます。
破壊された赤血球から回収された鉄は、再利用されて新しい赤血球の材料となります。この“つくる→壊す→再利用する”というサイクルが正常に働いていることが、健康な血液を保つために必要です。


5. 貧血のメカニズムと4つの種類
貧血の原因は一つではありません。主に次の4つのタイプに分けられます。
5-1. 鉄欠乏性貧血
最も多いタイプで、赤血球をつくるために必要な鉄が不足することで起こります。特に月経・妊娠・偏った食生活が原因になりやすいです。
5-2. 再生不良性貧血
赤血球をつくる“工場”である骨髄の機能が低下し、血球全体が十分に作れなくなる病気です。多くは原因不明で、指定難病にもなっています。
5-3. 巨赤芽球性貧血
ビタミンB12や葉酸が不足すると、赤血球が正常に成熟できずにこのタイプの貧血になります。胃の病気やアルコールの多量摂取が原因になることもあります。
5-4. 溶血性貧血
作られた赤血球が通常より早く壊れてしまうことで起こります。遺伝や自己免疫疾患など、さまざまな原因があります。
6. ヘモグロビン不足が引き起こす症状
酸素を運ぶヘモグロビンが減ることで、体内は“酸欠状態”になります。その結果、以下のような症状が出ることがあります。
- 疲れやすい
- 頭痛・めまい・立ちくらみ
- 肩こりや冷え性
- 集中力の低下
- 顔色が悪くなる
これは、酸素が身体の末端まで十分に届かなくなることで生じる現象です。
7. 貧血かもしれないと思ったら
「なんとなく体がだるい」「立ちくらみが続く」といった症状に心当たりがある場合は、自分の生活習慣や食事を見直してみましょう。
貧血の多くは、原因を理解して対処することで、改善することが可能です。
8. まとめ
- 血液は、全身に酸素と栄養を運び、老廃物を回収する大切な役割を担っています
- ヘモグロビンが減少すると、酸素が足りなくなり、貧血症状が現れます
- 貧血の原因は大きく4つに分類され、それぞれに合った対策が必要です
- 日常のちょっとした体調不良も、貧血が関係しているかもしれません
もしも「疲れがとれない」「めまいが続く」と感じるようなら、今回の記事でご紹介した内容を思い出してみてください。
仕組みを知ることで、自分の体の変化に気づけるようになり、少しずつ改善への一歩が踏み出せるはずです。
自分をいたわることが、元気を取り戻す第一歩かもしれませんね。
