「最近なんだかイライラしやすい」「やる気が出ない」「立ちくらみが増えた気がする」――そんな不調を感じていませんか?
実はその症状、鉄分不足による“隠れ貧血”が原因かもしれません。特に女性は、生理や妊娠などの影響で鉄分を失いやすく、多くの方が気づかないうちに鉄分不足の状態にあるといわれています。
本記事では、貧血になりやすい人の特徴を年代別・体質別・生活習慣別に詳しくご紹介するとともに、知らないうちに陥ってしまう「隠れ貧血」のリスクについて、わかりやすく解説していきます。
貧血になりやすい人の特徴とは?チェックリストでセルフ診断
まずは以下の項目に、いくつ当てはまるかチェックしてみましょう。
2つ以上当てはまる方は、鉄分不足の可能性があります。
女性が特に貧血になりやすい理由
女性は毎月の生理によって一定量の血液を失うため、男性よりも鉄分の必要量が多くなります。
十分な補給ができないと、貯蔵鉄(フェリチン)が徐々に減少し、気づかないうちに鉄欠乏の状態へと進んでいきます。
実際、閉経前の女性の多くが慢性的な鉄分不足に陥っているといわれています。
年代別に見る、貧血リスクが高い3つのグループ
思春期の女子(小学生〜中学生)
成長期と生理の開始が重なるこの時期は、特に鉄分が多く必要です。
朝食を抜く、好き嫌いが多いといった食習慣が、鉄分不足に拍車をかけることも。

妊娠・授乳期の女性
赤ちゃんに優先的に鉄分が送られるため、母体の鉄が不足しやすい時期です。
つわりや食欲不振も重なり、鉄分不足が深刻化しやすくなります。
20〜40代の成人女性
仕事や家事、育児などで忙しく、栄養バランスが後回しになりがちです。
ダイエットや偏食の影響も重なり、知らず知らずのうちに鉄不足が進行しているケースが多く見られます。
最も貧血が多いのは40代女性。その理由とは?
「鉄分が必要なのは若い時期では?」と思われがちですが、実際に貧血の診断が最も多いのは40代の女性です。
その背景には、長年にわたる鉄分不足の蓄積があります。
体内の貯蔵鉄が使い切られたタイミングで、ようやく症状として現れるため、「今さら?」と思う年齢で発症するケースが多いのです。
鉄のストックがなくなるとどうなる?“鉄欠乏性貧血”とは
体内の鉄分が不足しても、すぐに貧血になるわけではありません。
最初は、フェリチンという形で貯蔵されている鉄分が使われますが、これが尽きるとヘモグロビンの合成が追いつかなくなり、貧血状態に移行します。
そのため、血液検査でヘモグロビン値が正常でも、フェリチンが低い場合は「隠れ貧血」に該当する可能性があります。
生活習慣に潜む貧血リスク5選
次のような食習慣は、鉄分の吸収を妨げたり、摂取量を減らす原因となります。
- 朝食を抜く習慣がある
- 麺類や菓子パン中心でたんぱく質が不足している
- 間食にお菓子やスナックをよく食べる
- ダイエットで栄養バランスが崩れている
- インスタント食品・レトルト食品をよく食べる

体質や血液型も関係する?
生理が重い・子宮筋腫がある場合
出血が多いことで、鉄分の喪失が日常的に起こります。
胃腸が弱い体質
鉄分は胃酸の働きによって吸収されるため、胃腸の働きが弱い方は吸収効率が下がりやすくなります。
遺伝的な要因
鉄欠乏性貧血そのものは遺伝しませんが、胃腸の弱さや吸収力には遺伝的な傾向があるといわれています。
血液型の影響
一部の研究では、B型・AB型の女性はヘモグロビン値が高く、A型・O型の女性は貧血傾向にあるという報告もあります。
女性の8割が“鉄分不足予備軍”?フェリチン値が示す現実
厚生労働省の調査によると、20〜50代の女性のおよそ8割が、鉄分不足の状態にあるとされています。
疲れやすさ、イライラ、集中力の低下など、鉄不足による影響は日常のあらゆる場面に現れます。

まとめ
鉄分不足は、誰にでも起こり得る身近な問題ですが、正しい知識と日常のちょっとした意識で予防・改善が可能です。
- 「イライラする」「だるい」と感じたら、まず鉄分不足を疑ってみる
- 朝食に納豆や卵、ほうれん草などを加えてみる
- 栄養バランスを意識した食事を習慣にする
まずは食事から変えてみましょう!
