貧血でふらつきや疲れを感じることはありませんか?
鉄分が不足すると、体がだるくなったり、集中力が低下したりすることがあります。特に、鉄分は毎日一定量が失われるため、意識的に補うことが重要です。
しかし、「貧血にはレバーが良い」「鉄分の多い食材を食べればいい」といった情報を聞いたことがあるものの、具体的にどのように摂取すれば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、鉄分を効率的に摂るための食事法や、貧血に良い食べ物の選び方について詳しく解説します。この記事を読めば、毎日の食事で鉄分をしっかり補う方法が分かります。
1. 鉄分たっぷりの食べ物が大切な理由
よく、「貧血の予防や改善には鉄分が豊富な食べ物を摂ろう」と言われますが、なぜ鉄分が必要なのでしょうか?
貧血とは、血液中のヘモグロビン濃度が低下し、酸素を運ぶ能力が不足した状態を指します。
ヘモグロビンを作るためには鉄分が必要不可欠ですが、体内で生成することはできません。
そのため、食事から適切に摂取することが求められます。
2. 貧血の大半は鉄分不足が原因
貧血にはさまざまな種類がありますが、その約60〜80%は鉄欠乏性貧血といわれる、鉄分不足が原因で起こる貧血です。
体内の鉄が不足すると、ヘモグロビンの生成量が減少し、貧血を引き起こします。
そのため、鉄分の摂取が非常に重要になります。
3. 女性の多くが鉄分不足!?
「私は貧血ではないから大丈夫」と思っている方も多いかもしれませんが、鉄分はとても吸収されにくい栄養素であり、日常の食事だけでは十分に補えていない可能性があります。
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」では、日本人女性の多くが鉄分不足であることが報告されています。
特に月経のある女性は、毎月鉄分を失うため、意識的に摂取することが必要です。

4. 鉄分は毎日必要
体内の鉄分はリサイクルされるものの、一日に約1〜2mgが失われます。
鉄分は主に赤血球の分解過程で回収され、肝臓や脾臓でフェリチンやヘモジデリンとして貯蔵されます。
リサイクルされた鉄の一部は再利用されますが、少量は消化管や皮膚の細胞代謝を通じて排出されるため、食事からの補給が不可欠です。
食事から補給しないと慢性的な鉄不足につながるため、毎日の食事で意識的に鉄分を摂ることが重要です。
5. ヘム鉄と非ヘム鉄の違いと吸収率
鉄分には大きく分けて2種類あります。
- ヘム鉄(肉・魚など動物性食品に含まれる):吸収率が10〜20%
- 非ヘム鉄(野菜・豆類など植物性食品に含まれる):吸収率が1〜5%
一般的にヘム鉄のほうが吸収率は高いですが、非ヘム鉄も摂り方次第で吸収率を上げることができます。
6. 食べ物で鉄分を補うための重要ポイント
鉄分を多く含む食品リスト(100gあたりの鉄分含有量)
ヘム鉄を多く含む食品
- 豚レバー(13.0mg)
- 鶏レバー(9.0mg)
- 牛レバー(4.0mg)
- 赤貝(5.0mg)
- しじみ(4.3mg)
非ヘム鉄を多く含む食品
- ほうれん草(2.8mg)
- 小松菜(2.8mg)
- きなこ(9.2mg)
- ひじき(6.2mg)

7. 鉄分の吸収を助ける食べ方のコツ
動物性タンパク質と一緒に摂る
ヘム鉄が豊富な動物性食品(肉や魚)と一緒に食べると、非ヘム鉄の吸収率も向上します。
例:味噌汁にほうれん草を加える、納豆と卵を組み合わせる
発酵食品と組み合わせる
発酵食品(納豆、味噌、ヨーグルト)には鉄分の吸収を助ける働きがあります。
例:味噌汁にほうれん草を加える、納豆と卵を組み合わせる
クエン酸を含む食品と組み合わせる
クエン酸(レモン、梅干し、酢)が鉄分を包み込むことで、吸収を促進します。
例:ほうれん草のお浸し+レモン、ひじきの酢の物
鉄製の調理器具を使う
鉄鍋や鉄フライパンを使用すると、調理中に微量の鉄分が食品に溶け出し、吸収をサポートします。
例:鉄鍋で炒め物を作る、鉄瓶でお湯を沸かす
朝食に鉄分を意識する
朝に鉄分を摂ることで、一日を通して吸収効率が高まり、エネルギー補給にも役立ちます。
例:卵とほうれん草のスクランブルエッグ、鉄分強化シリアル+ヨーグルト
ビタミンCと一緒に摂る
ビタミンCには鉄を吸収しやすくする働きがあります。
例:卵とほうれん草のスクランブルエッグ、鉄分強化シリアル+ヨーグルト
8. 鉄分の吸収を阻害する食べ物と対策
お茶やコーヒーに注意
お茶やコーヒーに含まれるタンニンは、鉄分の吸収を阻害することが知られています。食事の前後30分〜1時間は避けるのが理想です。
フィチン酸・シュウ酸に注意
- フィチン酸(玄米、豆類) → 発酵食品と一緒に摂ると影響を軽減
- シュウ酸(ほうれん草、たけのこ) → 茹でると影響を軽減
9. まとめ
貧血の改善には、毎日の食事で鉄分を効率的に摂取することが重要です。
- ヘム鉄と非ヘム鉄をバランスよく摂る
- ビタミンCやクエン酸と組み合わせて吸収率を高める
- 鉄分の吸収を阻害する食品を避ける
これらのポイントを意識し、日々の食生活に取り入れていきましょう。
