「採血で気を失いそうになった…」「健康診断の注射で目の前が真っ白に…」そんな経験、ありませんか?
実はこの“ふわっ”とする感じや、時に失神に至る症状は、一般的に想像される「貧血」とは少し違う原因によって起こる場合が多いのです。
この記事では、採血時に倒れる本当の理由と、倒れないための予防策を分かりやすく解説します。
読み終わるころには、「また倒れたらどうしよう…」という不安が軽くなり、安心して採血に臨めるようになるでしょう。
採血で倒れるのは「貧血」ではない?本当の原因とは
採血中に気を失いそうになると、「貧血かも…」と思う方が多いのではないでしょうか?
しかし実際には、採血で起きるめまいや失神の多くは「貧血」ではなく「脳貧血」と呼ばれる状態によるものです。
「貧血」は、血液中の赤血球が不足し酸素を運ぶ力が落ちた状態で、慢性的に起こることが多い一方、「脳貧血」は一時的に血圧が下がって脳に血が行き渡らなくなる状態を指します。
この一時的な脳への血流不足によって、ふらつきや意識が遠のく感覚が生じ、ひどい場合には失神してしまうのです。

採血で失神するのは「血管迷走神経反射」かも
脳貧血を引き起こす主な原因のひとつに、「血管迷走神経反射(けっかんめいそうしんけいはんしゃ)」があります。
これは、採血の痛みや緊張、血を見ることへの恐怖など、強いストレスが引き金となって自律神経のバランスが崩れ、血圧が急激に低下し脳に血が届かなくなる反応のことです。
貧血のように体内の鉄分不足とは関係なく、精神的なストレスや刺激が主な要因である点が特徴です。
血管迷走神経反射が起きる仕組みとは?
血圧は「自律神経」が調整しており、交感神経と副交感神経のバランスで保たれています。
ストレスを感じると、迷走神経(副交感神経に関わる神経)が刺激され、副交感神経の働きが強くなります。これによって
- 血管が急に拡張する
- 心拍数が低下する
- 血圧が下がる
という変化が起こり、一時的に脳へ血が回らなくなってしまうのです。
採血で倒れた人に多い特徴と前兆
血管迷走神経反射によって倒れる前には、多くの場合“前兆”があります。
よくある前兆の一例:
- 目の前が真っ白・暗くなる
- 冷や汗が出る
- 血の気が引く感じがする
- 吐き気や頭痛がする
- 「気持ち悪い」「フワッとする」
採血時だけでなく、朝礼や電車内などでも同じような症状が出ることがあります。
採血時に倒れないためにできる5つの対策
採血の際に倒れないためには、事前の準備やちょっとした工夫がとても効果的です。
1. 採血前に「倒れた経験がある」と伝える
緊張を減らし、寝た姿勢での採血をお願いできる可能性があります。
2. 空腹・脱水を避ける
水分不足や低血糖も脳貧血を引き起こす一因です。朝食を軽く摂るのがおすすめです。
3. 深呼吸やリラックス法を試す
自律神経を整えるために、呼吸を整えるだけでも効果があります。
4. 視線をそらす
注射の針や血を見るのが苦手な人は、意識的に視線を別方向へ。
5. 体勢を低く保つ
しゃがんだり、足を組み替えるなどして、血圧低下を防ぎましょう。
「また倒れるかも」と不安なあなたへ|リラックスの工夫
頻繁に脳貧血が起きる方は、ストレスに敏感な傾向があるかもしれません。そんな場合には、日常的にリラックスできる方法を見つけておくことが予防につながります。
たとえば…
- 音楽やアロマで気持ちを落ち着ける
- 採血時に自分なりの「安心ルーティン」を作る
- 前もって「またあれが来るかも」と心の準備をしておく
関連する他の原因と注意点も知っておこう
血管迷走神経反射の他にも、似た症状を起こす原因があります。
起立性低血圧
急に立ち上がることで血圧が下がり、めまいや失神を起こす状態です。
脱水・熱中症
夏場の運動や長時間の立ちっぱなしで脱水になり、血流不足で脳貧血に。
その他のストレス反応
人混みやプレッシャーなど心理的な要素も影響します。

採血で倒れる原因と対処法まとめ
- 採血で倒れる主な原因は「貧血」ではなく「脳貧血」
- 脳貧血の多くは「血管迷走神経反射」による一時的な血圧低下
- 不安や緊張、血を見るストレスが引き金に
- 事前の準備や姿勢・呼吸で予防できる
- 無理せず、安心できる環境で採血に臨むことが大切
「また倒れたらどうしよう…」という不安を少しでも減らすために、自分に合った対処法やリラックス法をぜひ見つけてみてくださいね。
