朝、起き上がったとたんにクラッとしたり、立ちくらみが頻繁に起こったり――そんな「脳貧血」の経験はありませんか?
脳貧血は、病気というよりも、一時的に脳への血流が減少して起こるもの。特に低血圧の方に多く見られますが、食事の内容を少し見直すだけでも、症状の予防や改善が期待できます。
この記事では、脳貧血と低血圧の関係、食事で気をつけたい4つのポイント、さらに体質に合わせた工夫までわかりやすくご紹介します。
脳貧血と食事の関係
脳貧血は、立ち上がったときなどに血圧が一時的に下がり、脳への血流が減ることで起こる「一過性の症状」です。目の前が暗くなったり、フラッとしたりするあの感じですね。
「貧血」とついていますが、鉄分不足による貧血とは違い、血流や血圧の変化が原因。ただし、栄養バランスの乱れやエネルギー不足が背景にある場合も多いため、食事を整えることはとても大切です。
低血圧が引き起こす脳貧血の原因とは
脳貧血の原因としては、以下のような生活習慣や体質が関係していることがあります。
- もともと血圧が低い体質
- ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れ
- 食事を抜く、偏食が多い
特に朝食を抜きがちだったり、食べる量が少なかったりすると、朝のフラつきが出やすくなります。思春期の子どもや女性にも多く見られる症状なので、体調管理のために一度食生活を見直してみるのがおすすめです。
低血圧を改善する食事のポイント4つ
脳貧血の予防には、低血圧体質の改善がカギとなります。この章では、血圧を安定させるうえで日常生活に取り入れやすい食事の工夫を4つご紹介します。
① 穀物の力でエネルギー補給
ご飯やパン、雑炊などに含まれる糖質は、体を動かすための大切なエネルギー源。特に朝はエネルギーが不足しがちなので、温かいおにぎりや雑炊などでしっかり補うのがおすすめです。
補足:米は消化にも優れており、胃腸が弱い人にも適した食材です。
② 適度な塩分で血圧サポート
塩分は血圧を維持するために欠かせない栄養素です。高血圧の人は控えるべきですが、低血圧の人にはむしろ必要不可欠。
発酵食品である味噌はナトリウムだけでなく、タンパク質やミネラルも豊富。味噌や漬物、梅干しなどの伝統的な発酵食品を上手に活用しましょう。
補足:具だくさんの味噌汁は、塩分・水分・栄養のすべてが摂れる優秀メニューです。
③ 良質なタンパク質を意識して
必須アミノ酸をバランスよく含むタンパク質は、筋肉や自律神経の働きを支えるためにも重要です。
- 動物性:卵、鶏肉、魚、乳製品
- 植物性:豆腐や納豆などの大豆製品
これらをバランスよく組み合わせて摂ると効果的です。
補足:チーズや牛乳が苦手な方は、小魚や卵を活用してみてください。
④ 胃腸が弱い人は“食べ方”を工夫
胃腸の調子が悪いと、必要な栄養も吸収しづらくなってしまいます。以下のポイントを意識してみましょう。
- 煮る・蒸すなどの消化にやさしい調理法
- 一度にたくさん食べず、小分けにして回数で補う
- 食事の温度に注意(熱すぎ・冷たすぎはNG)
補足:胃下垂や胃酸過多の方は特に食べ方を工夫すると体調が安定しやすくなります。
鉄分不足による貧血との違い
脳貧血とよく混同されがちな「鉄欠乏性貧血」は、血中の鉄分が不足し、酸素を運ぶ赤血球が十分に働かなくなることで起こります。
これは低血圧とは別問題であり、対処法も異なります。鉄分が不足していると診断された場合には、以下のような食品を意識して取りましょう。
- レバー、小松菜、あさり、ひじき
- 吸収を助けるビタミンC(柑橘類、ピーマン)

まとめ
脳貧血は、一時的な血圧の低下によって脳への血流が減り、ふらつきや立ちくらみが起きる症状です。特に低血圧の方や女性に多く、食生活の見直しが予防や改善に役立ちます。
朝のエネルギー補給に穀物をしっかり摂ること、適度な塩分、良質なたんぱく質の摂取、そして胃腸への配慮。これらのポイントを日々の食事に取り入れることで、体が整い、朝のふらつきも少しずつ軽減されていくはずです。
特に朝にフラつく、やる気が出ない、という方はまず食生活を見直してみてください。


