
もしかして貧血?あなたの体の「鉄分ギモン」に回答します
女性にとって貧血は身近な問題でありながら、「体質だから仕方ない」「疲れているだけ」と軽視されがちです。
しかし、貧血が進行した際に体に起こる影響や、それが次世代に与えうる影響まで含めて考えると、決して軽視できるものではありません。
この度、私自身の経験や研究を通じて、同世代の女性にこの問題を伝えたいという強い思いから、皆さんが抱く貧血に関する疑問にお答えし、日々の生活で鉄欠乏を防ぐために大切な基礎知識を医師の視点から解説します。
貧血を軽視すると体に起こりうる変化

Q1:貧血状態が続くとどうなりますか?
A: そもそも鉄欠乏の状態や、鉄欠乏性貧血になった方の約半数は、これといった症状を自覚しないことが報告されています。症状の出方には個人差が大きいのも特徴です。
症状を自覚する場合、倦怠感やだるさ、息切れ、動悸、肩こり、頭痛、ふらつき、肌荒れなど、日常生活の質を下げる様々な不調として現れることがあります。
貧血は、ダイエットや偏食による鉄の摂取不足、月経による出血だけでなく、子宮筋腫による出血、胃潰瘍、腫瘍、慢性炎症、薬の副作用など、非常に多様な原因によって引き起こされます。特に成人男性や閉経後の女性で鉄欠乏性貧血がみられる場合は、消化管出血など背景疾患が隠れている可能性があるため、原因検索が重要です。
しかし、原因が分からないまま出血や疾患が放置されると重度の貧血に至る可能性がありますが、適切に受診し治療を行えば、命に関わるケースは現在の医療では極めて稀です。
検査結果が改善した後も対策を続ける重要性

Q2:検査結果がよくなったら、もう貧血対策をしなくてもいいですか?
A: 一度貧血が改善したからといって、そこで対策をやめてしまうのは避けるべきです。
実際に、鉄剤の服用などを中止した結果、その後の健康診断で再び貧血だと指摘され、再度受診される方は多くいらっしゃいます。
鉄欠乏性貧血は、検査値(特にフェリチンなど貯蔵鉄)が十分に回復する前に治療を自己判断で中断すると再発しやすいことが知られています。そのため、検査値が安定するまでは、医師と相談しながら治療や予防を継続することが大切です。
食事だけで必要量を満たすのが難しい場合もあるため、検査値(特にフェリチンなどの貯蔵鉄)が十分に回復し、安定するまでは、医師と相談しながら食事や補助食品などを通じて鉄を補い、予防を継続することが大切です。
コーヒー・お茶と鉄分吸収に関する見解

Q3:コーヒーやお茶が貧血の人に良くないってホントですか?
A:緑茶・紅茶・コーヒーなどに含まれるタンニンは、鉄の吸収を妨げる可能性があるとされています。
日常生活で過度に神経質になる必要はありませんが、鉄剤を服用する場合は水で飲み、前後1〜2時間はお茶やコーヒーを避けるとより安心です。
まとめ:鉄欠乏の対策は日々の食事から

鉄欠乏性貧血対策の基本は、やはり日々の食事にあります。予防のためには、鉄を多く含む食品を意識して、継続的に摂取することが大切です。
動物性食品に含まれる「ヘム鉄」は、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」と比べて吸収されやすく、一般的には「ヘム鉄 15〜25%程度」「非ヘム鉄 2〜5%程度」が一つの目安とされています。赤い肉や魚など、ヘム鉄を含む食品を食卓に取り入れることを心がけましょう。
執筆・監修:山本佳奈医師

